大規模ゲーム開発者による、より良いコードを書くためのルール集。
『Ghost of Tsushima (ゴースト・オブ・ツシマ) 』や『怪盗スライ・クーパー』といった、日本でも知られているゲームを制作した Sucker Punch Productions の共同創設者であるChris Zimmerman氏による、プログラミングのベストプラクティス集です。
サンプルコードは、ゲーム開発者らしく C++ で書かれています。C++11 ぐらいの比較的新しい C++ ではありますが、C++プログラミングの話をすることが本筋ではないので、それほど難しい機能や構文が登場することはありません。一応、Python や JavaScript が分かる読者向けに、C++ を簡単に比較・解説した付録が付いていますが、プログラミング言語の知識がどうこうというより、実戦の経験値のほうが必要な印象です。
より良いコードを書くために守るべき 21個の「ルール」を取り上げ、それがなぜ必要なのかという説明に、C++ によるコードが挟み込まれている構成です。「ルール」の内容自体はほかでも見かけるものが多いですが、実際に大規模なゲームを多くの開発者とともに開発してきた著者の豊富な経験の蓄積による解説になっており、ここに本書の価値があります。それだけに、読者の側にもそれなりの経験値が求められる内容ではあると思います。ゲーム開発経験者であれば理解しやすいですが、それ以外のジャンルに携わる開発者であっても、有用な内容です。
なお、訳注が多く入っており、特にサンプルコードを解説した訳注はかなりの分量で書かれており、日本語版はより手厚くサポートされた本になっているようです。
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