最新の C++ の文法機能、標準ライブラリのうち、重要なものを1冊にまとめたリファレンス。
劇的な変化が起きた C++11 の新機能をいち早く解説した 2013年の初版以来、C++ のバージョンが上がるたびに改訂を重ねて、今回で第4版となりました。今回は 2021年現在の最新規格 C++20 に対応しています。
100ページ以上を割いている最初の章では、C++ の文法機能について、総ざらいしてあります。C++11/14/17/20 で追加された機能には、それとわかるマークを付けられています。C++ に関してまったく知識がない状態では理解するのは無理がありそうですが、C++ のどのバージョンでもいいので、ある程度の経験があれば理解できる程度のレベルでまとめられています。
その後は、逆引きのスタイルで、主に標準ライブラリの機能の紹介が続きます。当然ながら、紙面の限界があるため、すべてを網羅しているわけではありませんが、重要で基本的な機能を取り上げて、詳しく解説しています。
逆引きスタイルのリファレンスということではあるものの、紙の本では取り上げられる話題の数に限界がありますし、結局は Web検索に頼ることになる可能性が高そうではあります(たとえば、本書の著者らも執筆に関わっている cpprefjp などを参照するといい)。個人的には、本書は調べものに使うよりも、通読して、現代の C++ の機能の全体像を薄く把握することに使ったほうが役立つように思えます。
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