現代人に必要なコンピューターサイエンスの基礎知識を網羅。
日本語版としては、初版(⇒Amazon.co.jp)からわずか2年ほどでの第2版となりましたが、初版の原著は 2016年頃、第2版は(文章中の記述から察するに)2020年11月頃の状況を反映したもののようなので、約4年分の状況の変化を反映した内容になっています。さらに一部、訳注のかたちで、2021年度に起きたことなど(たとえば、原著の執筆時点では係争中だった事案の結果とか)を補っていることがあります。
著者のカーニハン氏は非常に有名な方です。C言語のバイブル『プログラミング言語C』は、2人の著者の名前から「K&R」と呼ばれますが、「K」の方がカーニハン氏です。また、プログラミング言語AWK の開発者の1人でもあり、こちらの「K」もカーニハン氏です。
基本的にほぼ「文章」で占められていますが、難解になりすぎることなく、非常に読みやすくまとめられています。これだけ高いレベルにある著者ですが、教え方のうまさが光ります。
本書は、プログラマーのような IT関連の専門知識を持つ人を対象にしているのではなく、すべての人に対して書かれています。現代では、コンピュータウィルスのような悪質な攻撃、個人情報の問題、詐欺のような行為から身を守る術など、技術者ではない人たちでも、コンピューターサイエンスに関する知識が必要になっています。ニュースなどでもたびたびこれらの話題が取り上げられるものの、そもそも基礎知識がなくては情報を理解することもできないでしょう。本書は、そういったニュースや記事が何をいっているのか、正しく理解・評価・判断できるようになるための基礎知識を身に付けられる内容になっています。
内容は大きく分けると、「ハードウェア」「ソフトウェア」「コミュニケーション」「データ」の四部構成です。「データ」は第2版で新たに書き加えられたものです。
「ハードウェア」分野では、コンピュータの動作の仕組みや、情報を表現する方法を解説しています。「ソフトウェア」分野では、アルゴリズムについて簡単に学んだ後、JavaScript というプログラミング言語を使った、ごく簡単なプログラミングを通して、プログラムの仕組みを解説しています。「コミュニケーション」(通信のことです)の分野では、相手先までデータを届ける基本的な仕組みを取り上げています。「データ」には、ビッグデータ、データマイニング、AI・機械学習、セキュリティといった話題が並びます。
コンピュータ、IT に関する知識に不安を感じる方は、ぜひ一読してみると良いと思います。技術者の方も、知識の確認や、あまり詳しくない人達への説明の参考としても役に立つかもしれません。
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