以下は目次です。
ある符号無し整数型の値を構成する複数のビットの中の、任意の位置のビットを 0 にしたいとします。
ビット演算は原則的に、符号無し整数型に対して使用します(第49章)
ここでいう「任意のビット」は、特定の1つのビットでもいいですし、2ビット以上連続したり、飛び飛びであったりしてもいいものとします。たとえば、
といった具合です。
あるビットを 0 にするには、ビット積(ビットAND)(第49章)を使います。
0 に “したくない” ビットにだけ “1” を立てた整数を用意し(これを BITS とします)、これとターゲットの整数とでビットAND を取れば実現できます。
& BITS; ターゲットの整数
たとえば、ターゲットの整数を2進法で書いたとき “1100”
で、偶数ビット(下から2つ目と最上位ビット)を 0 にしたいとします(つまり、“0100”
にしたい)。この場合なら、BITS を “0101”
にして、1100 & 0101
とすればいいことになります。
1100
& 0101
------
0100
実際に試してみます。
#include <stdio.h>
int main(void)
{
unsigned char n1 = 0xf0;
unsigned char n2 = 0x80;
unsigned char n3 = 0x7f;
// 一番上位のビットを 0 にする
("%x\n", (n1 & 0x7f));
printf("%x\n", (n2 & 0x7f));
printf("%x\n", (n3 & 0x7f));
printf("----");
puts
// 下位から数えて、3~7 ビット目の範囲を 0 にする
("%x\n", (n1 & 0xc3));
printf("%x\n", (n2 & 0xc3));
printf("%x\n", (n3 & 0xc3));
printf("----");
puts
// 奇数ビットすべてを 0 にする
("%x\n", (n1 & 0xaa));
printf("%x\n", (n2 & 0xaa));
printf("%x\n", (n3 & 0xaa));
printf("----");
puts}
実行結果:
70
0
7f
----
c0
80
43
----
a0
80
2a
----
桁が多いと分かりづらいので、ここでは unsigned char型を使って、8bit の符号無し整数型で試しています。もっと大きい型を使っても、ビットの数が増えるだけで、やり方はなんら変わりません。
また、結果だけが見たいので、変数の値を書き換えないようにしています。変数の値を変えたいのなら、(n1 & 0x7f)
であれば n1 &= 0x7f;
のようにすればいいです。
ところで、BITS を用意するときに、「0 に “したくない” ビットにだけ “1” を立てた整数」というのがやや分かりづらいかもしれません。実際、このようなビット列を用意するときは、「0 に “したい” ビットにだけ “1” を立てた整数」を書いて、そのビット否定を取るようにコーディングすることがあります。
つまり、最上位ビットを 0 にしたい場合に、0x7f
を用意するのではなく、その反対である 0x80
を用意して、そのビット否定(第49章)をして ~0x80
とのあいだでビット積を取ります(n1 & ~0x80
)。
この方法の場合、さきほどのサンプルプログラムは次のようになります。
#include <stdio.h>
int main(void)
{
unsigned char n1 = 0xf0;
unsigned char n2 = 0x80;
unsigned char n3 = 0x7f;
// 一番上位のビットを 0 にする
("%x\n", (n1 & ~0x80));
printf("%x\n", (n2 & ~0x80));
printf("%x\n", (n3 & ~0x80));
printf("----");
puts
// 下位から数えて、3~7 ビット目の範囲を 0 にする
("%x\n", (n1 & ~0x3c));
printf("%x\n", (n2 & ~0x3c));
printf("%x\n", (n3 & ~0x3c));
printf("----");
puts
// 奇数ビットすべてを 0 にする
("%x\n", (n1 & ~0x55));
printf("%x\n", (n2 & ~0x55));
printf("%x\n", (n3 & ~0x55));
printf("----");
puts}
実行結果:
70
0
7f
----
c0
80
43
----
a0
80
2a
----
ビット否定と組み合わせる方法を理解していると、ビットを 1 にする処理と、ビットを 0 にする処理とで、同じ BITS が使えるようになります。分かりやすくなりますし、便利でもあります。
void func(bool bit_on)
{
if (bit_on) {
|= BITS; // 1 を立てる
target }
else {
&= ~BITS; // 0 にする
target }
}
return 0;
を削除(C言語編全体でのコードの統一)
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